愛しいわがまま。



――――……


落ち着いた私は、

もう1度遥の家のチャイムを鳴らす。




「――は~い。って、…あら、凌ちゃん再び?」


出てきたのは
可愛い笑顔のお母さん。



(どうか、私のひきつった笑顔に気づきませんように。)


「何回もすみません
1つ頼みがあるんですけど」

「…頼み?私に?」

「はいっ、お母さんに♪」

「なにかしら♪」


楽しそうなお母さんは本当に可愛い。




「…今日私がここに来たこと、
遥には黙っといてくれませんか?」


「遥に…?えぇ…それは全然いいけど…
凌ちゃん、何かあったの?」


心配そうな顔で私を覗き込むお母さん。



「なんにもないですよー、

じゃ、そーゆうことで。
お願いします♪お邪魔しました」


思わず言い逃げ。

まぁ……大丈夫でしょ。



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