愛しいわがまま。


亜梨紗ちゃんの言葉が
頭の中でひたすらリピート。


しばらく動けずに、
そこに棒立ちしていた。





「もう……やだ。」



(そもそも、考えたって分かるはずない。)



遥はいつでも優しかった。

何度も私を好きだと言ってくれた。

遥が優しく見つめてくれるたびに、大事にされてるんだって感じて。



…でも、

それは本当にそうだった?
勘違いだったのかも、なんて。


今の私にはそれさえ分からない。


亜梨紗ちゃんは"私のせい"だと言った。

私が亜梨紗ちゃんから遥を奪った?


私のせいで亜梨紗ちゃんは
あんなに苦しんでるっていうの?









どこか呆然としながら、


"先行く"



一言だけ遥にメールして、
私は1人で学校に向かった。




< 57 / 92 >

この作品をシェア

pagetop