愛しいわがまま。


「………………は?」




私の前に現れたのは遥だった。



「なんで? …遊輝は?」


ひどく寂しそうに笑う遥に、私は苦笑いも返せず慌てる。


(私をここに呼び出したことを遊輝が遥に教えたってこと?)




「「……………」」



…あの馬鹿、何てことしてくれるんだ。


おそらく愛那も共犯だろう。

学校で私を見送るときの"頑張って"というおかしな応援も様子が変だったのも、これが原因だったわけだ。



ようやく状況を掴めてきた私は、すぐさま遥から目を逸らし今度こそ立ち上がる。


「……ごめん。帰る」



2人には悪いけど。

今は近づいちゃいけない
早く、離れるべきだ。


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