知らなかった僕の顔
僕がもし本気で森若ちゃんを好きになった時、まっすぐにありのままの彼女を見ることができるだろうか。

彼女に対して、おかしな期待や、とんでもない見返りを求めてしまったら?


それだけは避けたい。

格好悪すぎるじゃないか。


僕が、意味のない保険のような恋について考えている隣で、森若ちゃんは軽やかに鼻唄を歌っている。


森若ちゃんの歩く足が止まった。

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