奈良の都の妖しい話

数々の戸惑い

話をしているうちに昼になってしまった。

「あ・・・もうあんなに陽が・・・。」

「いつのまにか時がたってしまいましたね。」

「そういえば黒矢。このお姫様ずっとここに置いとくわけ?」

「ずっとじゃないと思うけど・・・。」

「ふーん。でもしばらくはいるんだよな・・・これからが楽しみだ。」

「おい!白華、姫に手を出すなよ!」

「わかってるって。」

「・・・お前は軽いからな・・・。」

「何かいったか?」

「いや。」

「それよりお姫様、今日朝餉は食べた?」

「あ・・・いや・・・。」

「そっかー。じゃ、私と一緒に作らない?」

「え!・・・でも私料理なんてしたこと無い・・・。」

「大丈夫!私が教えるから!」

「ありがとう、紫遙殿!」

「・・・あの二人仲よくなりそう・・・。」

「そうだな・・・。」
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