アネモネ*~風、君を愛す~

―autumn―



夏休みの1ヶ月間だけと約束だったヨシとの生活は、

アタシのわがままから、

そのまま続けられることになった。


*****


~8月、夏休み最後の日~


「ママ、夕方、ヨシが来るから。
ちょっと話しがあるの」


「ママに話し?」


「んー、」


テレビを観たりお菓子を食べたり、

リビングをウロウロしてみたりと全然落ち着かない。

そんな様子のアタシを、

母は不思議そうに見ていた。


「そわそわしてどうしたの?
何かあったの?」


「何もないよ?
ヨシが来てからね」


もし反対されたら…

いや、絶対に反対される。

そんなことばかり考えてしまう。


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