ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
8 悲しい涙


‐8‐




家に着いて、制服のままベッドに横になる。

本当は制服を着替えなくちゃいけないけれど、なんだかドッと疲れてしまった。


今日はもう、何もしたくない。

あぁでも、犬飼くんにメールしなきゃ……。


【 無事帰りました〜。 】


何事もなかったかのようにメールを送信し、携帯を放る。

と、すぐに電話がかかってきた。

犬飼くんからかな? と思って画面を見たら……。


「え……」


そこに表示されてた名前は、青山だった。




「……もしもし?」

『あぁ、結城? お前さ、良太郎と付き合うのか?』

「あ、うん……もう、聞いたんだ?」

『啓介から聞いた』


啓介くん、青山に話したんだ……。


『……あのさ、昨日啓介と話して聞いたんだけど、結城と啓介って、一緒に居るって決めたんだろ?
なのに、なんで良太郎にオーケーした? 卒業したら外国に行っちまうあいつに同情してか?』

「ど、同情じゃないよっ……」

『じゃあ何?』


何、って……さっきのこと、話してもいいのかな?
でも、「馬鹿か?」って怒られちゃうかも……。




『……あーもうわかんねぇ。 今から行くから、ちょっと外に出てこい』

「えっ……」

『直接話せ』


と言った直後に電話は切れてしまった。
今から行くって、突然そんなこと言われても困るよ……。


「……どうしよう」


もう外は真っ暗だし、こんな時間に家を出たらまた怒られちゃうかも。

でも、私が家の中に居たら、きっと青山はチャイム鳴らすよね。

それはそれで、結構困る……。


「……やっぱり、外に出た方がいいかも」


そう思ったから、服を着替えて、夕食の準備をするお母さんの元へと向かった。


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