軽薄男に鉛弾を【新☆パラレル・ワールド企画作品】

金を貸してくれ

暑かった夏もいよいよ過ぎ去り、風が心地よい秋らしい、よく晴れた日の夕方

閑静な住宅街を足早に歩く男は、うんざりした顔をしていた。

彼自身に特別不運が重なった訳では無い。

問題は…さっきからやけに彼に絡んでくるオレンジ色の頭髪の男

加瀬 純一郎を鬱陶しく感じている事に他ならない。

純一郎が彼に絡む理由…それは…

｢頼む。この通り…何も言わす俺に金貸してくれ！｣

彼…坂本 深(ｼﾝ)は、純一郎の性格を嫌ってほど知ってる。

『惚れた女には、とことん媚びまくる』

手を変え品を変え…手段は選ばず…