二 億 円


帰り道、綺麗なお兄ちゃんは何も喋りませんでした。


でも、時々私の方を見て、微笑んでくれました。


お家に着くと、お兄ちゃんがいました。


「お兄ちゃん!ひなたのこと置いていったでしょ!!ひなたもう怒ったんだからね!お兄ちゃんなんか「ごめんごめん。悪かったよ、ひなた。」」



優しく微笑むお兄ちゃんだったけれど、一瞬違和感を感じた。



でも今なら分かるよ。


あのときお兄ちゃんは楽しみで仕方なかったんだよね。





だから思わず不適な笑みを浮かべてしまったんだよね。




私を、幼いひなたを奴隷にすることが楽しみで仕方なかったんだよね。



雅樹お兄ちゃん。


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