闇の貴公子に偽りの愛を
第四章 ウィッチの森


「アヴィニー。今日はね、ピーナッツサンドを持ってきたの!」


シルヴィアは小さなバスケットからピーナッツサンドを取り出し、アヴィニーに渡す。


「ありがとう。シルヴィア!」


シルヴィアは小さく微笑み、自分の口にピーナッツサンドを運んだ。


「……誰と話してるの?」


…っ!


「だ、誰?!」


シルヴィアはアヴィニーを抱き締める。


「僕はロジェンスって言うんだ。ウィッチの森に妖精が居るって聞いたから……」


「私はシルヴィア。妖精ならここに……見えないかもしれないけど……」



アヴィニーを掌に乗せ、ロジェンスに差し出す。



「僕には見えないみたい。」



ロジェンスは俯く。


どうすれば見えるのかな…


あっ!


指輪……


「ロジェンス、手を出して………」


シルヴィアはロジェンスの左手の薬指に指輪をはめる。


「どう?見えた?」


「シルヴィア…見えるよ!妖精が見えるよ!」



ロジェンスは優しく微笑んで見せた。


「アヴィニーって言うのよ。」























< 68 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop