隠せない気持ち【新☆パラレル・ワールド企画作品】

町興し

よく晴れた日曜日の朝

新聞を見ながらコーヒーに口をつけた原口 龍太郎(38)は妻の葵から一枚のハガキを手渡された。

｢あなた…この秘宝館の松山 怜って誰なの？まさか…浮気なんてしてないでしょうね｣

朝っぱらから女の嫉妬に付き合わされるなんて思いもしなかった龍太郎は焦りながらも

｢違う違う…秘宝館ってのは僕が開発に行き詰まった時よく行く店で怜ちゃんは、そこの一人娘ってだけだよ｣

冷静に弁解した…つもりだったけど

｢怜ちゃんねぇ…若い子って訳ね…人の旦那寝取るような女なら相当性悪ね｣

と疑いの眼差しを捨てない。

｢怜ちゃんは高校生だよ。それに僕が太刀打ち出来るほど可愛げのある子でもないし…｣