妖精なアイツ【完全版】

妖精

高校は、セーラー服。


中学の時もセーラー服だったので、前の学校で四ヶ月間着ていたブレザーが恋しい。
新品のセーラー服に袖を通し、スカーフを整える。


「兄貴?準備できたー?行くで!」


「おお!学ランなんか着んの久しぶりやあ」


兄貴は、私と同じ高校を受けていた。


兄貴いわく、私が言い出す前から行くつもりだったとの事。
大学行くんだから、進学校を選んで当たり前だとは思うけど。


兄貴と、道に迷いながらも学校に到着した。
始業式を皆の後ろで見て、その後校長室へと向かった。


「ようこそ、鴨門(おうもん)高校へ。」


校長はニコッと笑った。


「桜井規香先生の親戚なんだってね?」


「はい、そうです!」


校長は『そうか、そうか』と微笑みながら頷いた。


「じゃ、桜井…美希さんは1-A。桜井若也くんは3-Aね。今、先生がこちらに向かってるから。」


頷くと、しばらくして校長室のドアが開いた。


「どうも、初めまして!キミが、桜井美希さんだね!」


「あ…はい。」


目の前に立ったこの人は、角刈りで、ちょっとマッチョ。
ノースリーブのシャツに、首から笛をぶら下げている。


多分、体育教師なのだろうか?
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