――…

翌日、学校へ行くと、渉の姿は見えなかった。




昨日は結局、電話もメールも来なかった。




何で少し悲しいとか思うわけ?
これじゃあたしがアイツを好きみたいじゃん。




「ないない!」




「「何がないわけ?」」




前の席に座る繭と、隣の席の亮太が同時にツッコんできた。




「えっ?あぁ…何でもないよ。あっ!二人に穂香から手紙書いたから渡してくれって頼まれて…」




「穂香から?ふふっ…いいのに。えーと何なに…可愛いカチューシャと髪飾りのプレゼントありがとうございます…繭お姉ちゃんは、いつも美人ですだって…」




繭は少し吹きだしていたけど、嬉しそうに手紙を読んでいた。




「えーと…俺は…ぬいぐるみのプレゼントありがとうございます…亮太お兄ちゃんはもうちょっと肉食系男子になった方がいいと思います…?…なんだこれ」




「あぁ~たぶん、テレビとかで覚えた言葉使ってみたんじゃない?肉食系男子の意味は穂香わかってないと思うから気にしないで」




「…なんか子供なりに意味は、ありそうな気がするけどな」




亮太がそう言うと、繭は思い付いたように言った。




「もっとお肉を食べてデカくなれってことじゃない?亮太…背がちっこいから」




「誰がちっこいじゃ!」




「まぁまぁまぁ…」




仲が良い二人はよくケンカもする。二人をなだめるのはあたしの役目。




「しぃ、笑い堪えんのやめろ」




「バレた?」




――…キーンコーン、カーンコーン




授業の始まりのチャイムが鳴り響く。




やっぱり渉は、教室に来なかった。




考えないようにしてるのに、何でこんな気になるんだろう。