ひざまくらの後は?
特別な響き
辻 天音、20歳。

私は昨日の夜から、6歳年上の彼氏、諏訪 智仁さんのお家に泊まりに来ています。


駅から程近い15階建てのオシャレなマンションの10階、ワンフロアに4つしかないお部屋のうちの一つが諏訪さんのお家です。


広めの2LDK。

この部屋に私はいま、ひとりでいます。


……ひとり寂しくお留守番の真っ最中だったりします。





「はあ~…。諏訪さぁん、まだですかー……」

ソファーの前に座り込み、置いてあるローテーブルに頬っぺたを当て、テレビも点けずにジッと玄関だけを見つめる。


早く帰って来てください……。


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