Snow Princess ~雪の華~


翌日、リリーはシャーマと二人で執務室にいた。


「と、いうわけで東地区の病原菌の騒ぎが収まるのはもう時間の問題よ。

一番心配なのはまだ発症してないだけの人が他にいないかね。
もっと多くの薬とレシピを作るから、市場に出して普及させてくれるとありがたいわ」

「わかった。コーネル、すぐに手続きを頼む」

「畏まりました」


命令を受けると双子の片割れの秘書は足早に出ていく。


「すまないな、いつもいつも」

「そんなことないわ。これが私の仕事だもの」


シャーマは笑って礼を言う。
リリーは少しだけ悲しい気持ちでシャーマを観察した。


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