この涙が枯れるまで
~第十章・過去~

ナナはゆっくり僕に話してくれた。


僕はナナの過去へとタイムスリップする──…




―広瀬ナナ

小学生までは積極的で、明るくて男子からも女子からも人気があった。


だけど中学で何かが変わった。



いつも通りの毎日。
いつも通り友達と会話を楽しんでいた。


『ナナってさ~ホントすごいよね』

『えー?何で??!!』

『だって頭良いし、スポーツ出来るし!』

『そんな事ないよ??』

『羨ましい!』

『ありがとう』


私はみんなか好き。
みんなと話してると楽しいし、何か癒されるから。


でもこの事件がきっかけで私は変わり始めた。



―ガラッ・・・

担任の先生が勢いよく教室のドアを開けた。


びっくりする生徒達。


『広瀬…ちょっと来い』


先生に呼ばれる。

何か嫌な予感がした。


『落ち着いて聞け……今電話があってな、両親が事故で亡くなったそうだ…』


『…え?』


私は先生の言っている意味が分からなかった。


理解できなかった。


両親が亡くなった?


今日行ってらっしゃいと見送ってくれたのに…?


私はただ立ちすくす事しかできなかった。


私は病院に向かった。

自分で確かめるため。


現実を見るため。



私は走った。




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