俺の目の前で、街が紅蓮の炎を吐いていた。

逃げ惑う民には目を向けず、俺は倒れた男の傍にしゃがみ込んだ。

虚空を睨み付け、歯を食い縛り、事切れた彼は地にしがみ付くようにしている。

試しに目蓋を下ろそうとしたが、憎い者の最期を見届けるまではと、彼は目を開き続けた。

また俺は、他人の生命を背負った。

初めてのことではないのに、男の見開かれた目が取り付いて離れない。

こうして、俺は悪魔になってゆく。

「班長!」

バタバタと慌ただしい足音がして、俺は腰を上げた。

「どうした」

「新入りが……」

全て聞くまでもない。

俺は部下の肩を叩いて促し、問題の新入りの元に案内させた。