誰よりも愛してくれなきゃ××
◇付きまとう孤独よ


◇◆



「あの、あたし、1年3組の…はい、お願いします」



通勤ラッシュの人で溢れかえる、駅構内

唯一静かなトイレで、学校へと電話をかける


よかった、そこまで大きくない駅で。



「あ、先生、朝比奈です。…はい、まだよくならなくて…すみません、ありがとうございます」


ピッ、とボタン1つで繋がっていた電波を切る


「ふぅ…」


トイレまでざわついてたら、こんな風にうまくはいかないもん



高校に入った時から休みの電話は親じゃなくて自分でかけていたから、別に今さら不思議がられない


だけど、仮病だもん

ちょっとだけ残る、後ろめたさ



「ごめんね、先生」


液状画面に呟いて、携帯を閉じる



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