誰よりも愛してくれなきゃ××

偽りの中で、嘆く




◆◇



「…はぁ」


自分から行くと決めたくせに、重そうにみえる扉を前にすると、気分まで重くなる


でも、それでも、

奏斗のことを考えないで済むなら、いい



意を決して、扉を開ける




―… その鍵が、パンドラの箱を開けてしまうとも、知らずに




「ただい…」

「ダメー!ヒカリは1番大事っ!」


ブーツに手をかけたところでリビングから聞こえてくる、お父さんの声



「心愛は2番目だからいーの!」



「………」




―… パンドラの箱


それは、開けてしまうといろんな不幸が飛び出すと言われている、箱




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