白銀の女神 紅の王

後宮入り




バンッ――――

裏口らしき所から入り荒々しく開けられる両開きの扉。

裏口にしては大きな扉を抜けるとエントランスらしき所へ連れられる。




「シルバ様!お早いお帰りですね」


黒と白の生地を基調とした侍女服を着た女性が声を掛ける。

見ればまだ若そうな女性だった。



「あぁウィルはいるか?」

短く答え男は“ウィル”という名を出す。

確か賭博場で部下らしき人達が言っていた名前ね……



「はい。ウィル様なら執務室にいらっしゃいます」

女性も短く答える。



「では後宮へ来るように言え」

「っ!?……はい、承知いたしました」

女性は男の言葉に一瞬驚いた様子を見せたが、すぐにウィルという人物を呼びに行った。




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