ナンパ男との恋 2巻
第十章 弱さ
それから5日が経ったけど
一度も、

輝樹からの連絡はない。

竜希くんとは
毎日のように会って
毎日電話で話している。

会っても、
なおやくんの家か
どこかの駐車場で
他愛ない話をしているくらいだ。

電話では
沈黙が相変わらず多いけど
少し慣れたせいか
そういう沈黙も
安心できる時間となりつつある。

それでも、
輝樹の事は
常に頭から離れない現状。

電話が鳴るたび
輝樹じゃないって分かってても
鼓動が高鳴る。

心のどこかで
電話がくるんじゃないかっていう期待と、
電話がきても出ないし・・
と、強がってる自分と、
別に 輝樹じゃないって分かってるし、
なんて自分を誤魔化そうとしてる日々・・・

ほんと・・・

矛盾だらけだ・・・

もう、期待なんて
したらいけない。

期待すると
その分
重くのしかかって
きっと、抜け出せなくなる。

分かっていても、
どこかで
期待してる自分。

そして

抜け出せない自分。

いつまで・・・

こんな状態が続くのだろう。


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