天空をただようそれは大きく逞しく移りゆく

一吠え上げれば地をも震え上がらせる

悲しみにくれた咆哮は絆さえも痛みつける


彷徨い歩く先にあったものはーー



第四章 蝕む呪い




 昼時の刻を刻む空はカラッとした陽気に恵まれ清々しい風が吹いていた。三つの足音が地を奏でている。


「良い天気だね!」

 眩しそうに眼を細め天を見上げるシルフィーは青々に広がる空を見つめる。
 シルフィーの領域と同じくらいの動きやすい気温。
 穏やかに吹く風はシルフィー達を遊んでいた。


「次は空の領域へ行きましょう」

 ふわふわと浮かんでいるフェンは次の目的地を喋る。
 シルフィーと同様、上を見上げ行く先を見る。


「空? もしかして上に行くの?」

「そうよ」

 シルフィーはパンッと手を合わせ驚いた表情から満面の笑みを浮かべる。空に領域があるとは思っていなかったシルフィーはウキウキと心を躍らせる。



「仲間は空の領域『アンガス』の風緑城(かざみどり)の大峡谷カノンにいるんだよね?」


 人差し指を頭につけ思い出すようにルーフはフェンに聞く。


「良く知っているわね!」と少し驚いた顔をしたフェンは頷く。



「空の領域はね、ここから南にある自然の領域内にあるテレポートエリアで行くことができるよ。
簡単に言えば空にもう一つ大陸があると思えばいいよ。そこから東に行くと仲間の種族の里、大峡谷のカノンがあるの。緑の岩肌に白い街が点在する谷よ。神秘的な雰囲気を持っているから楽しみにしていると良いよ。

空だから天候が変わりやすいのも特徴ね。竜巻や大嵐、スコールはしょっちゅうじゃなかったかな? ねぇ、フェン。仲間の種族ってシュディーナ族だったよね?」


 ペラペラと喋るルーフは言葉が途切れることなく話す。まるでシルフィー達を老いていく勢いだ。

 いや、置いて行かれたシルフィー達はポカンとしていた。耳を傾け話を理解していたフェンは質問に笑顔で首を縦に振る。



「頭の引き出しが良いね! ルーフは頭が良いのよ。もしかしたら世界一頭が良いかもと噂されているくらい」

「そんなことないよ! ただ頭に勝手に入ってくるんだから」

 
 あわあわと手や顔を振り否定するルーフ。
 新しいことを知ったシルフィーは目を輝かせルーフの両手を握る。驚いたルーフは彼女の痛いくらいの笑顔に肩を揺らした。


「ルーフって頭が良いんだね、色々教えてね!」

 勢いよく握りしめた手を上下に振られる。突然のことに驚いた顔が消えないルーフはなすがまま。


 同じ性別の仲間ができシルフィーはとても嬉しかった。