starlight
繋がれた手



----------*.葵.*----------



6人で遊んだ次の日の放課後。

私は理科準備室の扉の前にいた。

ノックしようとドアに近づいたとき、

中から話し声が聞こえた。

誰かいるのかな......

そう思って耳を傾ける。

「だから...悪いけど
 笠野の気持ちには応えられない。」

「何で!?先生だから??
 いいじゃん...
 私バレないようにするから」

「そういう問題じゃない。」

「じゃあ誰か好きな人がいるの!?」

「そんなこと笠野には関係ないだろう。」

「先生冷たい...ひどいよ」

「ごめん...けど、諦めてくれ」

一部始終を聞いてしまった私は、

立ち尽くした。

足音が聞こえ、慌てて隠れる。

準備室から、顔を両手で覆った

3年と思われる女子が出てきて、

泣きながら走っていった。

私は耐えられなくなって、

先生の元へ走り、袖を掴んだ。

「...あぁ、篠宮か。どうした?」

先生はそう優しく言ったものの、

とても疲れた顔をしていた。

先生は優しいから...

たとえ生徒でも気持ちを

しっかり受け止めているんだ。

「何でもない...」

思わず甘えた声が出る。

「...ん?」

先生が優しく聞いてくる。

「...さっき」

「え」

「さっきの...聞いちゃったんです」

何故か涙が零れそうになる。

「...そうか」

少し驚いた顔をする先生。

「先生は...どうして生徒にも
 真剣に対応するんですか」

「それは...何ていうか、
 たとえ生徒でも、立場が違うだけで、
 同じ人間だろ。」

少し気まずそうに答える先生。

私は耐え切れなくなって、先生の腕を

抱き締めた。

「ちょ...篠宮?」

焦った反応をする先生。

「ちょっとだけ...」

腕を離さない私を先生は見つめる。

先生の反対の手が、

私の頭を撫でた。






< 17 / 87 >

この作品をシェア

pagetop