偽りの結婚(番外編)
浮気?【完結】
夜も更けた寝室――――
一人では広すぎるキングサイズのベッドに座って物思いにふける。
最近、ラルフの様子がおかしい……
ここ最近、膝を抱えながら考えるのは、いつもこの事ばかり。
なんだか態度がよそよそしいし、帰りも遅いし。
なにより……私に触れてこないのだ。
いつもなら必要以上のスキンシップを取ってくると言うのに。
カチッカチッ……―――
静かな部屋に秒針が動く音だけが響く。
時刻は夜の10時を回る時だった。
今日もラルフは遅い……
遅くても9時には帰って来るのに。
ギュッ…と膝を抱える腕に力を入れ、顔を埋めていると…
キィー……――――
寝室の扉が静かに開いた。
「ッ………!」
弾かれる様に顔を上げれば、そこには驚いたような表情をするラルフが立っていた。
「起きていたのか。」
その言葉にムッとする。
「起きてちゃいけなかったの?」
そう言えば、罰の悪そうな顔をするラルフ。
益々怪しい。