傷だらけのラブレター
「…おい。
お前また、体育出ないのかよ。」
ふいに、背中から愛しい、大好きな声が聞こえて。
その声に引きつけられるように、その声の元へと振り返る。
…あぁ、やっぱり。
そこには、直也が立っていた。
『別にー。直也には関係ないじゃん。』
そう言って、わざとらしく唇を尖らせながら、そっぽを向く私。
…本当は、嬉しくて仕方がないの。
顔がにやけて、にやけて。
それを隠すための、ただの照れ隠し。