傷だらけのラブレター



『……。』



まるで何事もなかったように。
直也と登校した時間が嘘だったかのように。



バイバイ、と手を振り合うわけでもなく、
目配せとかするわけでもなく、


2人の時間は最初から存在しなかったかのように、自然に別れる私たち。




――今日も、ほら。



私は無表情なまま、先に歩いていた直也の背中を追い越していった。















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