あひるの仔に天使の羽根を

・述懐

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目の前で命が消え行く光景。


あたしが。


あたしが刹那と約束をしたから。


そして。


あたしがその約束を破り、刹那との"永遠"を拒んで逃げたから。


それは――あたしの罪。


その罪は、多くの人達を巻き込み、死に至らしめた。


天使の旭まで。


可愛いお友達が喰われる様さえ、あたしは見ているだけしかできなかった。


守ることが出来なかった。


その責めと、凄惨な光景が喚起する、多大な恐怖に。


――せり、さあ選ぶんだ!!!


動かなくなった久遠の体にしがみつくようにして、あたしは震えながら、荒げた声を放つ刹那を見つめる。


どこまでも悪魔のような怖く歪んだ顔が近付いてきて。


「そんな時に現れたのは、荏原さん…だった」


――若!!!


久遠を見て声を上げて。


――死んだのがオレだったらよかったか!? お前はいつだってそうだった。いつだって久遠、久遠、久遠!!! 皆必要としているのは久遠!!! だからオレは"忌み子"としていつも久遠の影に生きねばならなかった!!!


嫉妬。


――同じ顔も同じような力は2ついらないんだろう!? だからオレは死んだ方がいいと、久遠と"巫子"にしようとしたんだろう!? だけどオレは、"永遠"をせりと約束したんだ。無効にはさせない!!!


憎悪。


――オレから"永遠"を奪う奴は、許さない!!!



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