あひるの仔に天使の羽根を

・狼狽 煌Side

 煌Side
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俺は昔から"子供"ってのが、本当に苦手だ。


俺の顔見たらすぐぴーぴー泣き出すし、どうすれば泣き止むのかなんて見当つかねえ。


芹霞は子供好きですぐぎゅうするし、玲なんか笑えばOKだし、桜だってなぜか子供に好かれる。


櫂は妙な威圧感があるから絶対俺側だと思っていたのによ、なぜか子供の扱いが上手くて、抱き上げればそれだけで泣き止みきゃっきゃっと笑い出すんだ。


俺だって抱き上げたり、笑ってみたり、色々しているのによ、絶対最後まで泣き続ける。


「あんたには加減という言葉がないの?」


芹霞にそう言われたけど、俺だって手加減しているんだぜ?



やっぱり原因は――


俺の姿かよ……。



子供を見れば、俺の劣等感が刺激される。



もし――


芹霞との間に子供なんて生まれちまったら、


溺愛する我が子に嫌われたらかなりショックだ……。


愛しい女との間の子供に泣かれるなんてよ……。


……なんて。


今から考えてしまう俺は、


まだ子作りにも行けねえ現実に溜息ものだ。



まあ……俺がしたいのは、


子作りというより愛の営みで。


「――…。

…………。

~~ッッ!!!」


やべえ、顔がすげえ熱い。


こんなだから俺、桜に嘲笑されるんだ。

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