僕の死に方
僕の死に方
 藤見正信と別れ、当て所なく街中をうろつく。
 宵闇が辺りを包んでも、僕は帰途につく気になれなかった。

 また最初から、計画を練り直さなければならない。
 早く終わらせたい僕の人生は、多分に不本意な形で延長されることになった。
 次はもっと、上手くやらなければならない。
 まだ続きそうな自分の人生を思い、僕は小さなため息をついた。

 だけど、僕は決して諦めない。
 藤見正信を助けたという実績がついたおかげで、次はより自然に、悩みを抱える誰かに接近できるかもしれない。
 そう考えれば、あの計画も無駄ではなかったと言える。
 それに、何も学校内で死ぬということに拘る必要も無い。理想の死に方を迎えることさえできれば、別にどこで死んだって構わないのだ。
 前向きに考えるとしよう。

 死ぬことに前向きなのも、やはり可笑しいとは思うけれど。
< 45 / 52 >

この作品をシェア

pagetop