地味男子

抑えれない気持ち

「…彼氏にあげなくていいの?」

「彼氏にした覚えないもん」


 受け取ってくれるの?


 さっきより少し潤君にお弁当をズイッと近づける。


 ――――――ガタンッ


 潤君はお弁当を受け取らず立ち上がった。



 やっぱり食べてくれないの?



 目頭が熱くなった。




 すると潤君はあたしの手を取って歩きだした。



「え?」



 教室を出ると人気のない空き教室に来た。


「…潤君?」

「…駄目だな俺」


 …?



 その言葉あたしもさっきまで思ってたよ?


「どうしたの?」

「柴乃ちゃんのこと考えると頭がおかしくなる」

「……あたしのことが嫌いなんだ…?」



 また目の奥がじわっとなる。



「違う。 ……逆だよ」




 え?


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