恋愛温度、上昇中!
■■■

テンションが低いのか高いのか。完全に相手側のペースで砕けた雰囲気に色を変えていたのは数十分後。


「下着会社って何だかエロいよねー」


澤田さんが楽しそうに声を上げる。
会話を盛り上げるのはこの調子の良いタレ目。声を掛けてきた新橋さんは微笑を絶やしたままビールを飲んでいる。女子卒倒のプリンススマイルで。対照的なのは、常に無表情の関谷。どことなく面倒くさそうな空気を纏っている。


私はお決まりの会話を聞き流しながら、アルコールのペースだけを早めていた。


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