王子様の甘い誘惑【完】
第一章 王子様は突然に

「うわぁ……――!!」


校門の脇に咲く、たくさんの桜の木を見上げて思わず声を漏らす。


今日からあたしも華の高校生!!


「うちは貧乏だからねぇ」


お母さんのそんな口癖が嘘のよう。


だって、あたしは今日から、この辺りでは名門中の名門といわれる私立桜花(おうか)高校の生徒なんだから!!


あたしが私立に入学できるなんて天変地異の前触れかも……?


なんて考えるとちょっぴり怖いけど、嬉しさの方が100万倍強い。


あたしは周りの目なんて気にせずに、スキップをしながら校門をくぐった。




< 1 / 425 >

この作品をシェア

pagetop