王子様の甘い誘惑【完】
第七章 極上のキス

放課後。


あたしは蓮と一緒に近くのスーパーに食材の買い出しにやってきた。


『真野先輩と付き合ってるって本当!?』


教室まで迎えに来た蓮を見て、クラスメイト達は大騒ぎしていた。


情報通のクラスメイトによると、蓮とユキ先輩はこの学校の2TOPらしい。


二人が歩けば、周りには自然と女の子達が集まる。


確かに蓮もユキ先輩もカッコいいし、二人と何の面識もなければあたしもクラスメイト達のようにキャーキャー言っていたかもしれない。


……って、それはないか。


もし蓮と知り合ってなければ、毎日の生活がいっぱいいっぱいで男の子にうつつを抜かしている暇なんてないもん。


「えっと、卵と……野菜と……」


買い物のメモを見ながらポンポンとカゴに食材を入れていく。

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