ツインテールの呪縛

◯◯◯で何が悪い?

□□



聡は、まじめそうなヤツだと思っていた。


中一のときからクラス一緒だけど、忘れ物したとこなんて見たことなかったし、噂で聞く限りではそこそこ頭も良いらしかったから、まじめなヤツに違いないと確信していた。



中二の春のある日、放課後に教室に忘れ物を取りにきた俺は、教室に誰かいるのが分かった。


廊下の窓の向こうに見える教室のカーテンが風になびいている。


窓を開けているのだろうか。



その窓から少し離れた席に聡がいた。

他には誰ひとりいない。


俯いていたから、勉強してるのかと思った。



邪魔しちゃ悪いとは思ったけど、(その忘れ物が何だったか覚えてないが)次の日必要なものだったはずだったから、教室のドアを開けた。



ドアを開けると、聡は異常なほどビクッと身体を震わせて顔を上げた。

手に持っていたであろうものをバッと机の中に突っ込んだ。


俺は不思議に思いながらも愛想笑いを作り言った。


「悪りぃ、勉強の邪魔したな。」


「い、いや…。あ、…お、俺もう帰るから戸締まり頼んでいい?」


聡は挙動不審な動きをして立ち上がり、わたわたと鞄に荷物を入れた。


「あぁ、いいよ。」


俺はロッカーの中から荷物を取り出しながら返事をした。


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