舞風─君をさがして─
優しさを感じて
「ちくしょ──!!!あいつ!!!」
平助は右手を力いっぱい床に叩きつけた。
「とりあえず近藤さんと土方さんに連絡しよう」
「……そうだな。ってこんな時でも冷静な判断ができる総司が羨ましいよ」
「フフ、そんなものなのかな」
総司はポケットから携帯を取り出した。
「あのさ……俺に隠してることあるだろ。その妙に余裕あるとこ、な〜んかムカつく」
彼の電話が終わるや否や平助はすぐさま話を切り出した。
きっと自分の焦る気持ちに対して、落ち着き払っている総司の態度が気に食わないゆえの、最大の抵抗──なのかもしれない。
「どうやら、平助君には隠し事はできそうにないみたいだ」
そう言って、総司は床に目線を落とす。
「さっき、山南さんが居たところ、うっすらだけど切り込みが見える」
「そっか、つーことはこの下に奴らの秘密のアジトがあるってことか!そーと決まれば早速、千鶴を助けに行こうぜ」
「待った!」
「なんだよ」
「多分、この入口は閉ざされている。それに上手く別の入口を探して侵入できたとしても、二人だけじゃ太刀打ちできないのは火をみるよりも明らかだ」
二人の脳裏には先程の吸血鬼まがいたちの姿が過ぎる。
「た、確かに……でも!こうしてぐずぐずしてる間にも千鶴がっ!!」
「土方さんには連絡つかなかったけど、近藤さんには繋がったから、『新撰組』が揃うまでアジトの入口でも探しながら待とう。それがあいつらに勝つための近道だ」
「ちぇっ!やっぱ総司には敵わねぇや」
平助は右手を力いっぱい床に叩きつけた。
「とりあえず近藤さんと土方さんに連絡しよう」
「……そうだな。ってこんな時でも冷静な判断ができる総司が羨ましいよ」
「フフ、そんなものなのかな」
総司はポケットから携帯を取り出した。
「あのさ……俺に隠してることあるだろ。その妙に余裕あるとこ、な〜んかムカつく」
彼の電話が終わるや否や平助はすぐさま話を切り出した。
きっと自分の焦る気持ちに対して、落ち着き払っている総司の態度が気に食わないゆえの、最大の抵抗──なのかもしれない。
「どうやら、平助君には隠し事はできそうにないみたいだ」
そう言って、総司は床に目線を落とす。
「さっき、山南さんが居たところ、うっすらだけど切り込みが見える」
「そっか、つーことはこの下に奴らの秘密のアジトがあるってことか!そーと決まれば早速、千鶴を助けに行こうぜ」
「待った!」
「なんだよ」
「多分、この入口は閉ざされている。それに上手く別の入口を探して侵入できたとしても、二人だけじゃ太刀打ちできないのは火をみるよりも明らかだ」
二人の脳裏には先程の吸血鬼まがいたちの姿が過ぎる。
「た、確かに……でも!こうしてぐずぐずしてる間にも千鶴がっ!!」
「土方さんには連絡つかなかったけど、近藤さんには繋がったから、『新撰組』が揃うまでアジトの入口でも探しながら待とう。それがあいつらに勝つための近道だ」
「ちぇっ!やっぱ総司には敵わねぇや」