舞風─君をさがして─

ラブロマンスはほどほどに

「お──い!!千鶴〜っっ!!!」

「平助君っ」

帰ろうとして正面玄関を出た時だった。
彼が息を切らしながらこっちへ走ってくるのが見える。

「やっと見つけたぜ。さっきの、左之さん何だって?」


「うん、それが……」


私は全てを話すことにした。





「なるほど。そんなことになってたんだ。大変だなぁ」

「……他人事みたいに言わないでよ、もうっ」

「でもやるしかないんだろ」

「……うん」



「なんとかしてあげたいけど、こればっかりはなぁ……そ〜いや、総司は?一緒じゃなかったのか」

「さっき教室で会ったけど用事があるとかで途中で別れたよ」

「用事?」

平助君は暫く考えて、


「あ──っ!!そうだ!!すっかり忘れてた!!」

「えっ、何??」



「いいから、お前も来いっっ!!!」

私はとにかく彼の後を追いかけて行くことにした。
どこに行くとかそんなことはどうでもよかった──



「待って!!平助君!!」