「へぇ、でも。
本当にそんなものが居たとはね?」


黒あくまは、からかうようなドス黒い声に笑いを滲ませ、ツカツカと一直線にあたしの机の前までやってきた。


シッ
シッ…
あっちへ行ってよ。


心の中で黒あくまを追い払うあたしなんかおかまいなしに、


「でも、おかしいな」


黒くまはあごの下に手をあてて、思わせぶりに首を傾げる。


「吸血鬼が狙うのは、美女ってのがセオリーじゃねぇか?」


そんな黒あくまの大きな声に、クラス中からくすくす笑いが漏れ、周囲の好奇の目に晒される。