峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
「今配ったブリント、今度の三者面談の参考にするからな。来週の月曜日に提出だぞ」


新学期。
高校3年の春。
クラス替え。


新しい担任に配られたプリントは、進路希望のプリント。


もう、考えなくちゃいけないんだ。
行動しなくちゃいけないんだ。


「麻美は決まってる?進路」
休み時間、進路希望のプリントを見つめるあたしに、美幸が聞いてきた。


同じ高校に入った美幸とは、1年と2年でクラスが離れちゃったけど、付き合いは変わらず続いてた。

最後の一年、同じクラスになれて嬉しい。


「美幸は?」
「あたしは保母になりたいから、短大だね」

美幸は中学から保母になるって言ってた。

「麻美は?」
「あたしはぁ…」
「ちゃんと考えて決めなよ?中学ん時も曖昧に決めちゃって」

美幸はしっかりしてる。


中学の時は、突然峰岸の進路を聞いて、どうしていいかわからなくなってた。

峰岸と同じ高校じゃないなら、美幸と同じ高校がいい。

そんな風に決めた。


でも、今は違うよ?

ずっと決めてる事があるから。


「あたしは東京に行くよ」
「…東京?!」
「うん、東京」


峰岸を追い掛けるんだ。
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