完璧男子

過酷な学校

「どうも…」

「どうしたの? 足引きずって…」

「いやぁ…2階から飛び降りたらねんざになっちゃって…」

「ここまで歩いてきたの!?」

「…はい」



 心配そうに見つめてくれる歩夢君。


 歩夢君からスッと伸びてきた手。


「手、貸そうか」

「ありがとう」



 しっかりと私の手を握って支えてくれた。



 私の手を握った瞬間こっちを見た歩夢君。


「ちょっといい?」

「はい…?」


 ゆっくりと伸びてきたのは握ってない反対の手。


 私のおでこに当たった。


「つめたい…」

「優枝ちゃんが熱い。 熱あるの?」

「…はぃ…」

「熱あるうえにねんざって…災難だね。 送るよ」

「ありがとう…」




 蓮の家の前だよね? 


 そう聞いてきた歩夢君はすごく優しかった。


 手は冷たいけどあったかい。



< 48 / 506 >

この作品をシェア

pagetop