先生に囚われて
心の距離と身体の距離
りぃ君の家に行った日から1ヶ月がたっていた。



あの日から私たちは極力話をしない、そんな関係になっている。


不自然じゃない程度の教師と生徒の会話。

もちろん内容も。

学校生活で必要なことしか話さない。


他の生徒と何も変わりはない。



ただ、たまに。

本当にたまに、りぃ君から視線を感じる。



だけど私はそれに気づかないふりをする。

あなたと私の関係はこの先、交わる事無く残り2年を終える。


……交わる事など二度とない。



胸に僅かな痛みと違和感を抱えて、高校生活を終わらせるんだ。


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