俺が守るから。
○同情




「起立、礼」


「「ありがとうございました」」



HRも終わり
みんな帰る支度をする。

誰もいない教室に
足を踏み入れる女の子。



「司くん♪」



ニコニコと一緒に帰るのを
楽しみにしていたかのように
俺を見て笑っている
かけがえのない女の子……。




「美和っ!」



俺が美和の名前を呼ぶと
小走りをして
俺を後ろから抱き締めた。




そして



「帰ろー」



と愛くるしく笑った。



だから、こう答えるんだ。



「うん、帰ろ」



ってな。




そして手を繋いで
寄り添いあって帰る。



そうしようと
思っていたんだ。










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