オレンジ色の校舎





「まぁ、さすがに遥の順位までは知らないんだけどな」



「う…。す、すみませんねー、頭が良くなくって」



「誰もそんなこと言ってねーだろ?ただ知らないって言っただけ」



「もぅっ!一馬くんのアホっ」



最近では、一馬くんとも冗談を言い合うようになった。普段はクールな一馬くんだけど、こんな一面もあって新鮮。



「でもすげーよな、カズって。俺もまだまだ頑張んなきゃな」



そう言って感心して頷いている瀬川くん。そんな瀬川くんのちょっぴり真剣な顔に、高鳴るあたしの心臓。



「浅井くん、絶対いつか勝ってやるわ。たっちーも頑張るのよ」




「おおお俺も!?じ…上位とか無理無理っ」



一方では、麻衣の言葉に思いっきり否定をするたっちーがいたのであった。



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「午後から雨だって。雨、最悪」



数日後の昼休み、ツヤツヤな髪をいじりながら言った麻衣。






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