駆け抜けた少女ー二幕ー【完】

「…いや、しかし…。 寺での殺生はいけない…」


「おい、山南さん。 あんたが反対したい理由は、神聖な場での殺生か? それとも…」



山南の膝に置かれた拳が、カタカタと揺れているのを土方は見逃さなかった。

一人だけ反対だと抗議する山南だったが、それ以降口を開くことはなくなった。




「このことは決まったことだ。 意見は聞こう、たがこの決定が覆ることはないと思え」


細められた鋭い瞳には色は無く、無言の威圧だった。

これ以上グタグタ文句を言うな、と。


そしてその視線の先にいたのは―――………。



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