隣の男はよく見える
・お隣の高校生はダメですか?
「おはよう。」

誰かに声を掛けられた。


振り向くとそこに小暮くん。


「あ・おはようございます。」

「今日は、余裕の出勤だね。」


そうだ。


この前はギリギリの電車で会った。

今日は、いつもより1~2本早い電車だ。


よく会う

これって・・・何かの縁?

って・・・勝手に縁を作るなって・・・。



結構・・・分かんないよ・・・ね。


だって、お隣だもん。


って・・・


ちっとも成長の無い・・私。。。




「早くに出ても遅くに出ても結局毎朝混んでるよね。」

小暮くんがニッコリ笑って言った。


いつの間にか・・・自分と場所を代わってくれてて

他の客から守ってくれてる?


ちょっと・・・感動。

いい人じゃない?



次の駅に着くと更に人が乗り込んでくる。


もっとギュウギュウ詰め。


ちょっと空間を空けてくれてたけど・・・



今はかなり・・・密着!


う~ん!いい匂い!


やっぱり化粧品会社ってだけある?


女心をくすぐる匂い。




ガタン!と車内が揺れた。


彼の方が私の方に少し寄りかかって来る感じになった。


思わず彼の胸元を手で押し・・・

押し返したわけじゃない。


支えるつもりだった・・・のに


「ごめん。」


倒れこんできたことに彼が謝ったので


「うんん、全然大丈夫。」


そう言って手を離したら・・・
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