1分と31秒のとびら。
【07】
由紀を部屋から追い出して、やっとジャージに着替える。

色気のない格好だけど、露出度は低いから文句言われないはず。



リビングに行くと由紀がスケッチブックを広げて待っていた。




「ほら、早く描いちゃって」



「あ、うん」



文化祭のメイド服は着る人をクラスの投票で選ぶ。

だから私が着ることはないだろうけど、っていうか、だからこそ、フリフリでふわふわでかわいいやつがいいよね。



自分が着ないと思うと、デザインはすぐに浮かんで、さっきまで着ていたメイド服を思い出しながらデザイン画を描いていく。




「・・・・・・やっぱ、上手いな・・・でも・・・」



「でも?」


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