――十夜――




不覚。



不覚にもほどがあるだろ………っ



「あーーーーっ!!クソ……っ!!」



家に帰ってから俺のイラつきは最高潮だ。



「(…若様は何を荒れてるんだ……?)」



「(…なんでも意中の姫君にフラれたとか何とか……)」



襖の向こうからはひそめられた囁き声。



聞こえてんだよ……!



こんちくしょう……!!



出て行って文句でも言ってやろうかと思ったその時―――



スウ…っと部屋の襖が開かれ



「正しくは意中の姫君の前でハズカシイコトしちゃったんだよな~?……十夜ちゃん♪」



「…灰斗(カイト)…」



呻くようにそいつの名を呼ぶ。



睨み付けるようにして俺の前で最高に楽しそうにニヤつくデカイ男を見てやった。



「荒れてるねぇ?家のもんが脅えてるぞ~。」



「うるせぇ………」






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