桜が散るように ー 新撰組 ー
最終章:また、いつか

会いましょう



そして、更に一年が経った。


「山崎さーん!」

「お前、その呼び方はもうやめろと言っただろ」

「う、馴れないんですもん……丞さん」


大きな花束を持って、山崎と共に歩き出す。

二人の手はしっかり絡まっていた。



「土方さんの最期の地。見に行きましょう」

「ああ、そうだな、桜。副長に挨拶せねば」

「報告もありますしね!」


桜は少し大きくなったお腹を触る。

新しい命がまた――。


名も知らない花を抱え、二人は北を目指す。

一人散った最期の命を見に。



「そういえばお前。なんでこっちに来れたんだ?」

「…さあ?会いたいと思っただけなんですけどねー」






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