薄暗い山道を供も付けずに俺は登っていく。


まだ日は高いが、鬱蒼と繁る木々が太陽の光を遮り、山道は薄暗い。


気を落ち着けるために一人になれる場所といったら山の中だけだ。


屋敷の中は様々な思惑だらけで、気を落ち着けさせることは難しい。


「俺は、天下を取らねばならん。
それがアイツとの約束だから。
だから俺は実の弟にも手をかけたのに、たった一人の小娘に心を掻き乱されるとは…」


情けない。


俺もまだまだだな。


うっすらと笑いながら、天を見上げる。


強くあらねばならぬ。


誰よりも何よりも、強くあらねばならぬ。


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