♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「どういたしまして…」

瀬戸内は、あたしに向かって目を細めた。

微笑んでるというか、こんな優しい表情を見たのは初めてだ。

微妙に動揺して、
なぜか無言で瀬戸内と見つめ合うあたし。



「…ん、どうした?」

この時、気づいてしまった。

素直にリアクションされると、あたしが困ってしまうことに…



「…何でもない」

あたしは視線をそらして、出口へ逃げる。



今の何だったんだろ…

妙な感覚を振りはらって、あたしは勢いよくバスを降りた。
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