極道夫婦―18歳の恋戦―【完】

初恋は即終わり

悲しくても、怒りには勝らない。

でも、怒りよりも越えるのは、苦しさだ。



愛「拓…馬……は…す…まんしか…言えな……」



拓馬「愛理華?」



呼吸が苦しくなった。

頭がボーッとし、私は特攻服の裾を掴む。

拓馬は私の肩を揺する。



拓馬「愛理華っ!!」



珠「どうしたの…!」


2人が歪んで見える。

私は胸元を押さえ、深く呼吸を繰り返す。



愛「はぁ…はぁ…」



もう死ぬかも知れないと思った時、何かが私を包んだ。

優しく頭を撫でてくれる。
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